新社会人に捧ぐ、意外と知らない問題解決の基本:悩んだ時はシンプルに
問題解決(トラブルシューティング)の基本
問題解決(ビジネスにおいてはトラブルシューティングともいいますね)をする場合の基本は、上手くいくものと上手くいかないところの差を確認するところから始まります。例えば、パソコンが上手く起動しない時、上手く起動する場合としない場合の差を比較します。普段は入っていないはずのCDがドライブに入れっぱなしだったなどは良くありますよね。CDを取り出し起動し直せば問題解決です。
差が見つからない場合、問題になりうる箇所を、簡易なところからひとつずつ個別に確認していくこととなります。シンプルに。
例えば、テレビが映らなくなった場合
- 他のチャンネルが映るか(映る場合、そのテレビ局の問題が考えられる。個人での解決は難しい。)
- アンテナの線が抜けていないか(抜けていた場合、線を挿せば大抵解決するだろう。)
- DVDなら映るか(映る場合、液晶の問題ではない。アンテナ線が挿さっているならば屋外アンテナか。)
- 我が家だけの障害なのか(近隣も映らない場合、電波塔の問題であり、個人での解決は難しい。)
この考え方って人から言われると当たり前のことの様に感じるかもしれません。
ただ、そのトラブルが一見複雑であったり、様々な要素が絡み合っていたりすると、途端に多くの人はパニックに陥り、物事を複雑に捉えてしまいがちです。
トラブルシューティングの基本は、複雑なはずの問題をシンプルに捉え直し、解決するための常套手段なのです。
こんな時にも使えるトラブルシューティングの考え方
例えば、スポーツに当てはめるとどうなるでしょう?
サッカーの試合で決定的なシュートチャンスを外した場合はこんな感じです。
- トラップの位置はどうだったか(ディフェンスを振り切り、利き足のシュートまではいけた。トラップに問題はなかった。)
- トラップ前のシュートの準備はどうだったか(ディフェンスの位置を把握し、トラップに活かせた。また、キーパーの位置を把握していた。)
- キックの質はどうだったか(狙った位置に蹴ることができた)
- キーパーとの駆け引きはどうだったか(シュートのタイミング、コースを読まれていた。)
以上のことから、
- 失敗(問題)の原因は、個人の基礎技術ではなく、キーパーとの駆け引きに負けていたということが導き出せました。
- この具体的な問題点の抽出は「次回はキーパーの逆を突かなければならない」という具体的な課題を生みます。
- その具体的な課題克服を意識した練習に取り組むことは問題解決のための近道へと繋がるはずです。
まとめると、この選手はトラップ等の基礎技術よりも、相手の裏をかくための判断能力を磨く練習をしなければなりません。
「いいトラップができたし、シュートも狙った位置に蹴ることができた。キーパーが素晴らしい、運が悪かった。」という考えで練習を続けていたら、いつまでも問題の解決は図れず、全ては相手の実力次第という他人本位なストライカーになってしまうことでしょう。
あなたも壁にぶつかったときはシンプルに考えてみよう
人間の思考は複雑なので考えても上手くいかない時は上手くいきません。
ただ、どうしたらいいか解らないときや物事が複雑で解決の糸口が見えない様な時こそ、この考え方を当てはめてみてはいかがでしょう。
例えば仕事、恋愛、人間関係など、遠目で見ると複雑そうに見えることも、意外とシンプルなことが重なりあって出来ていたりします(先ほど例に挙げたサッカーだって瞬間的に様々な要素が絡み合っていますよね)。
その重なり合ったひとつひとつの状況を紐解き、落ち着いて確認し、問題がある具体的な箇所を見つけ解決していけば、一見複雑で解決不可能に思えた全体的な事柄が好転し万事上手くいく。そんなこともあるのではないのかなと僕は思います。