ハンドドリップなぜ蒸らす?
ドリップコーヒーを落とすとき、コーヒー粉に30gお湯を注ぎ30秒蒸らします。
考えたことありますか?なぜでしょう。
コーヒーの味をよくするため?
お湯が冷めるのを待つため?
雰囲気づくり?
蒸らしとは、湯を吸わせ、粉の『温度を均一』にすることを言います。どういうことかというと、人間がどんなに丁寧に粉にお湯を注いでも、粉の偏りやその日の気温によって、お湯を注いだ中心部と外周では温度差が生じます。もっと言うと、温度差がある時も無い時も起こりえます。
中心部と外周に温度差があることが問題ではありません。ドリップのたびに、温度の状況が違うことが問題なのです。
今日は中心も外周も均一に熱い。
明日は中心が熱く外周はぬるい。
明後日は中心も外周も半分熱い。
これだと抽出されるコーヒーの味が毎回変わります。コーヒーに限りませんが、飲食店に対し消費者は毎回同じ味を求めてリピートします。今日は美味しいけど、明日は不味い、明後日はまぁまぁを認めてくれるほど消費者は甘くありません。
安定して同じ味を提供する手段が蒸らし、お湯の浸透待ちなのです。(蒸らせば粉の温度が均一に近づきます。)
蒸らしたからと言って美味しくなるというわけではありませんが、蒸らさないやり方では、安定的な味の提供は困難でしょう。
『店で出すには』蒸らしが必須ということです。
逆に、家では蒸らす必要性に少し乏しいとも言えます。
蒸らさなくても美味しい可能性はありますし、安定的でなくてもいいからです。