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なぜプロレスラーはロープに振られると戻ってくるのか?

皆さんはプロレス観たことありますか?

戦後からのプロレス全盛期

一昔前(と言っても、戦後からバブル期にかかる時代)、プロレスは金曜日の夜8時というゴールデンタイムでテレビ放送されていました。力道山ジャイアント馬場。全く興味がないって人も名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。僕はその時代を生きてきた訳ではありませんが、ゴールデンタイムで放送されるということは、さぞ人気があったのだろうことが推測できます。

プロレスブームの終焉

アントニオ猪木ジャイアント馬場長州力など人気レスラーが多数輩出されていた時代ではあったものの、時は流れ、国民的スポーツとして人気を博していたプロレス人気は徐々に衰えていきました。1990年前後にはゴールデンタイムからは姿を消し、コアなファン意外は目にしないであろう深夜放送枠へと放送時間を移したのです。

プロレスがゴールデンタイムでテレビ放送されていたと聞くと、プロレスがそれなりに好きな僕でも違和感があります。多分、Jリーグ開幕の時代や相撲の若貴時代と同じで、ある意味その時代が異常だっただけなのではなかろうかと考えてしまいます。

そういう意味で言うと、90年台のプロレスブームの終焉は凋落だったわけではなく、適正に戻ったと言う方が正しいのかもしれません。あるべき位置に落ち着いたということです。

 

プロレスファンが涙するプロレスの現在

今現在、プロレスが人気スポーツかと言われるとそんなことは無いでしょう。残念ながらプロレス好きな人って正直周りに存在しません。むしろプロレス好きは変わり者くらいな扱いをされてしまうでしょう。あるべき位置を下回るほどの不人気ぶりです。そこまで落ちぶれてしまったことには原因があります。

  • 90年台後半に始まった総合格闘技イベント「PRIDE」
  • 90年代前半に始まった立技最強を決める格闘技イベント「K-1」

の存在です。

  • 桜庭和志グレイシー一族を次々と撃破し夢と浪漫を感じさせた時代PRIDEは大晦日にテレビ放送されお茶の間を沸かせました。
  • 最強を誇った絶対的チャンピオンのアーネスト・ホーストが色物ボブ・サップに敗れた時、周りの男たちの誰もがその話題で持ちきりとなりました。

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こんなガチンコの戦いを見せられてしまえば、プロレスで見せられる戦いはピエロたちが演じるショーでしかありません。総合格闘技ファンからは見下され、マスメディアは更に離れて行き、昨今のドン底の時代に至ったという訳です。

しかし、総合格闘技ブームは同じく終焉を迎えたものと思います。総合格闘技の歴史が積み重ねられていくに連れ、戦っている選手たちのレベルは徐々に高まっていきました。聞こえは良いですが、それは結果として素人には伝わらないハイレベルだけども、地味で退屈な攻防に終始するという事態を招いたのです。

 

なぜプロレスラーはロープに振られると戻ってくるのか?

プロレスとは「相手の攻撃を真正面から受け、互いの持ち味をフルに出し出させ、どちらかが力尽きるまで戦った末に勝敗を決める」というドMな格闘技なのです。その定義を踏まえれば、自然とプロレス界の摩訶不思議な暗黙の了解を観てる側も消化でき、プロレスをより一層楽しむことが出来るようになります。

もう結論は言うまでもないでしょう。プロレスラーがロープに振られると戻ってくる理由は、彼らが真のプロフェッショナルだからです。

 

プロレス界に存在する暗黙の了解あるあるを紹介しよう

以下に、代表的な摩訶不思議を紹介しましょう。深く考えてはいけません。楽しむのです。

 

1.ロープに投げると帰ってくる

プロレスを馬鹿にする人が良く口にする言葉「なんでロープに投げると帰ってくるの?」。それがプロレスなんです。さっきも言った様にプロレスっていうのは「相手の攻撃を真正面から受ける」という暗黙のルールがあるドMな格闘技なんです。ロープに投げられて帰ってこない奴は、「エレベーターに先に乗り込んだのに開くボタンを押さない奴」と同じで酷くムカつくずるい奴なんです。プロレスの定義に鑑みれば帰ってくるのが当たり前。それを疑問に思っては社会人とは言えないですよ。

他にも「相手がトップロープに登ったら寝転んでなきゃいけない」や、「逆水平チョップは相手が満足するまで受け続けないといけない」なども同じ類ですね。

 

2.反則が5秒までオッケー

最強格闘技プロレスにもルールはあります。例えば、金的、目潰し、拳での攻撃、噛み付き等です。ただし、さっき言ったようにプロレスっていうのは「互いの持ち味をフルに出し出させる」という暗黙のルールがあるドMな格闘技なので、5秒までなら反則可となっております。

悪役レスラーって居ますよね。そいつらが真面目にルール守ってるといまいちキャラ立ちが弱いってことは理解できますかね。彼らが持ち味を出すための謎の5秒間ルールがあるんです。だから、レスラーが相手に噛み付いたとしても、レフリーは注意もそこそこに5秒カウントを開始するというシュールな対応をします。離せばまた0秒からなんで、もう一回噛み付き直すことがある種のお約束。

他にも「ヒール役な選手が凶器を使う時、レフリーは後ろを向いてないといけない」や、「関係ない選手がリングに乱入しても、程よく去っていけばオッケー」などが同じ類ですね。

 

3.対戦相手が自分とこの社長

プロレスと言っても団体が山程あります。新日本プロレス全日本プロレスNOAHなんかがメジャーどころとされていて、他にもマイナー団体が山の様に存在します。どこも、選手が成り上がって社長となることが多く、少し前まではアントニオ猪木新日本プロレスの社長をしていたり、武藤敬司全日本プロレスの社長をしていたりという具合でした。

リングのうえで社長と闘うという地獄、社会人なら想像が出来るのではないでしょうか。「日頃のストレスを発散してやる」なんて言うのは簡単です。本当にできますか?今後も貴方は雇われ、家族を養っていくんですよ。

 

4.場外乱闘では時空が歪む

基本的に試合はリングの上で行われますが、時には選手がリングの外に放り出され、そのまま場外乱闘に発展する場合があります。その場合「片方の選手が20秒以内にリングに戻らない場合はリングアウトとする」というルールが適用され、反則負け扱いとなります。両者が戻れない場合は、両者リングアウトで引き分けですね。

しかし、場外乱闘も見せ場のひとつと考えられている中で、簡単にリングアウトを適用しては「どちらかが力尽きるまで戦った末に勝敗を決める」というドMな格闘技の名に反します。

そこは世界一空気の読めるレフリーたちが裁くプロレスの世界。レフリーは時空を歪ませ上手く対応します。

「わ~~~~~~~ん。とぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~。

すり~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。」

と、20秒が何分にも感じられる世界を作り出し、選手がリングに戻ってくるのを無の表情で待ち受けます。

 

プロレスを楽しむ=空気を読むってこと

総合格闘技が流行したころから「プロレスなんてヤラセじゃん」なんてことが声高に言われる様になり、プロレス界のリングに対して冷たい視線を浴びせる人が増えました。

プロレスがヤラセかヤラセじゃないかと言えばヤラセですよ。相手の技を故意に受け合うんですから。でもね、プロレスっていうのは何度も言うように「相手の攻撃を真正面から受け、互いの持ち味をフルに出し出させ、どちらかが力尽きるまで戦った末に勝敗を決める」というドMな格闘技なんです。

体を鍛えた運動神経抜群な人たちが見栄えのある派手な技を見せ合い、レフリーまでもが一丸となり、レスラーそれぞれの良さをフルに引き出し、最後に立っていた方を勝ちとするエンターテイメントスポーツ、それがプロレス。

真剣勝負じゃないなんて切り捨てずに、吉本新喜劇を観るくらい肩肘張らない感覚で楽しんで貰えたらいいんではないかなと僕は思います。  

 

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